昔から、このあたり一帯は枇杷の実の名産地だそう。剪定された葉つきの枝ごといただいたり、葉っぱだけ少し分けてもらったりしながら、お茶をつくったり、風呂に入れて枇杷湯を楽しんだりしている。葉だけ煎じても、枇杷の実のような橙色の美しい色になる。
枇杷は11月から2月、冬に花期を迎える。家の東側にも、大きな枇杷の木があり、白くかわいい花をつけている。
この木に、最近よくメジロたちがやってきて枇杷の花の蜜を吸っている。数羽で来たり、つがいで訪れたりと、メジロのカフェになっているようだ。ヒヨドリなんかも大声を上げてやってくる。
メジロはとても可愛らしい。きれいな緑色の身体で、名の通り、目の周りが白く、美しい声でさえずる。
古来、よく春の画題として取り上げられているが、鶯(ウグイス)と間違っているものがよくある。鶯よりもメジロの方がウグイス色のイメージに近いように思う。
われながら、あまりにも単純すぎると思うが、メジロを目にすると、繊細な緑の粉がほわほわと愛くるしい、鶯餅を連想してしまう。先日、黄身時雨を書いたばかりで恐縮だが、今度は鶯餅。考えうるのは食べ物ばかりか……。
メジロは、その声や姿を愛でるため、以前は飼育することも可能であったが、鳥獣保護法により、昨年から捕獲禁止になったが、密漁も行われているようだ。
自然のものを愛でるには、そのまま自然の中でか、あるいは「おいしい」姿をつくりだしてしまうほうがよいのかもしれない。
*メジロは「目白」とも書きますが、題では「目の周りに刺繍がある子」という連想がかわいらしく「繍眼児」にしました
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