2013年1月28日月曜日

カッテージチーズの醍醐味?――醍醐ではなく蘇 cottage cheese


ときどきチーズが食べたくなると自分で作る。
かんたんなカッテージチーズだ。
小鍋で牛乳を温めて適温にし、そこへレモンの絞り汁を入れる。
少しすると凝固し始めるので、ゆっくりとかき混ぜる。
しばらく待って分離したものを布で濾す。
濾すと、乳清(液体)とチーズの部分に分かれる。
乳清(ホエー)は別の使い道があるので分けてとっておく。
 
できたカッテージチーズは、パンに塗って食べたり果物とあえたり料理に普通のチーズとして入れたり、使い方はいろいろある。

 
以前、イラストレーターの大橋歩さんが、缶詰の桃とあわせて食べると、ケーキよりも美味しいという話を読み、とても美味しそうだと思った。大橋さんは、美味しいので来客にもよく出されているそうだ。

古代、8世紀から10世紀くらいの日本で作られていた乳製品に蘇(そ)というものがある。
淡白な味で、カッテージチーズのような味だったそう。主な産地は摂津国。今の大阪だ。

ちなみに、蘇を熟成させて作るのが醍醐(だいご)。これは高級チーズのようなもの。仏教の経典にも醍醐は記されている。「最上級の味」と言う意味である醍醐味(だいごみ)の語源になっている。

乳清は、とても栄養価が高い。プロテインの材料にもなっているくらいだ。

カッテージチーズを作るときにできた乳清は、夏なら冷やして、冷たい牛乳と合わせて蜂蜜やメープルシロップを入れて乳清飲料として飲んだりすると美味しい。

でも実は、ぼくは冬でもビールと割って飲むのが好きだ。

乳清を入れると、普通のビールが、ベルギービールやパナシェのように甘酸っぱいビールになる。これが美味しい。まさに秘密の醍醐味だ。

醍醐ではないけど、冬の摂津で蘇をつくり食す……。
そうだ。今度はぼくも果物の砂糖煮に添えてお客さんに出してみよう。
春になって暖かくなったら誰か遊びに来てくれるかな。


*写真のカッテージチーズにのせているのは、最高に熟した柿。ねっとりとした甘さに爽やかなチーズがとても合います。紅茶やワインとどうぞ、という感じです。

0 件のコメント:

コメントを投稿