そこを見るともなく見ていると、なにやらかわいい鳥が、尾羽をさかんに上下させて、南天の茂みを行き来している姿が見えた。沢も近いのでセキレイかと思っていると、色がちがう。
もっと茶色がかっていて、和菓子の黄身時雨(きみしぐれ)をなぜか思い出した。繊細な美しい色の羽毛がそうさせたのかもしれない。
モズっぽいが、直感的にあまり見かけない感じの色だと思った。
双眼鏡を取り出して、よく観察してから調べてみると、シマアカモズだということが分かった。沖縄諸島に生息している旅鳥で、この辺では希少な部類に属する鳥類だ。
「空飛ぶ黄身時雨」は、羽毛で丸々として、何ともかわいらしい。
黄身時雨はその後、畑に降り立つと、よく肥えた大きなミミズを手に入れて、しばらくそこで食事をすると、残りのお土産ミミズを持って、柿の木の方へ飛び去って行った。
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