2010年5月1日土曜日

コーヒーはケメックスで ―chemex―

        



家でコーヒーを淹れるときは、chemex(ケメックス)だ。
実験室の道具のようなフォルムのガラス器に、
クリーム色の四角い紙フィルターをたたんでセットする。
お気に入りの粉は、ebimaru家の常備品で、
近所の珈琲専門店「香蔵珈琲(かぐらこうひい)」で
購入している、「有機ブレンド」。


蒸らした後に、「月兎印のコーヒーポット」で、
少しずつお湯を注ぎいれると、
キッチンにやさしいコクと香りが、湯気とともに広がる。
丁寧にお湯を注ぎ、
1分ほど最後の滴(しずく)が落ちるのを待ち、
ファイヤーキング・エクストラヘビーマグに注ぎいれる。


翡翠色(ひすいいろ)のマグの中に、
黒褐色の熱くたぎる液体が入っているのを見、
香りを味わい口にふくむ。
口の中に、 苦味とやさしくまろやかな味がひろがっていく……。



    



「ケメックス・コーヒーメーカー」を考案した
ピーター・シュラムボームは、ドイツの化学者。


シュラムボームと、仲間の面倒臭がり屋の研究者たちは、
実験室にあったフラスコを、コーヒーメーカーの代用として
日常的に使用していた……。


それを「フラスコとロートが合体したような」
独特のフォルムの コーヒーメーカーとしてデザインし、
1941年に市販しようと考えたのは、

300以上もの特許を取得している
シュラムボーム本人だった……。


デザインと機能美が融合したこのコーヒーメーカーは、
アメリカ「ニューヨーク近代美術館(MoMA)」や
同じく「スミソニアン博物館」などの
永久展示品に選ばれている。

アメリカの「ミッドセンチュリー」を代表するデザイナー、
チャールズ・イームズも自宅で
「ケメックス」でコーヒーを入れていたし、
日本のプロダクト・デザイナーの大御所で、
ぼくも大好きな柳宗理(やなぎそうり)氏も、
「ケメックス」を自宅で使っていると聞いている。



★写真1:

左から「ファイヤーキング・EXヘビーマグ
「月兎印 コーヒーポット」
chemex(ケメックス) コーヒーメーカー」  



写真2:「ファイヤーキング・EXヘビーマグ
奥の椅子は「イームズ アームシェル」

 
 
 
 
 
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